【ハートフルエッセイ:ごまのある日常「1ゴマ日記」】

―ごまのある日常―

「相性」って大切ですよね。人間関係ももちろんですが、食べ物同士の相性もこれまた複雑かつ重要です。 一体、胡麻はだれと親友なのでしょうか?
今回は、大阪・富田林で豆菓子屋さんを営む北野登己郎さんに胡麻とお菓子の相性をお話いただきます!


〜〜胡麻がなくては、はじまらない!〜〜

Vol.15 北野登己郎 『胡麻とお菓子の相性』
2003/01/05

皆さん、「豆菓子」ってご存じですか?
真ん中に、落花生(ピーナッツ)があって、その外側に、カリッ、カリッと焼き上げた衣があるお菓子のことです。しょうゆ味が香ばしいあのお菓子です。昔から「雀の玉子」って呼ばれているんですけどね。

うちの屋号は「冨士屋製菓本舗」。大阪の富田林(高校野球のPL学園と花火で有名)で、昭和の初め、おじいさんの代より、豆菓子つくり一筋で頑張っています。もちろん、うちでも「雀の玉子」を作っています。
 豆菓子づくりの主な原材料は、落花生、小麦粉、もち米の粉(寒梅粉)、砂糖、醤油などです。醤油風味、えび風味、わさび風味、唐辛子風味など味のバリエーションは豊富にあります。
そんな1品に「ごまピー」といって、胡麻をまぶし、焙煎した豆菓子があります。
胡麻と落花生がほどよく焙煎された香ばしい豆菓子なんです。出来たての「ごまピー」を食べて思うのは、胡麻も落花生も、「焙煎」と言って、直火でローストすることで、独特の香ばしさが生まれてくることです。おそらく、両者の成分で共通する脂質、特に、「不飽和脂肪酸(リノール酸、オレイン酸)」が、焼けることによってこの香ばしさが生まれるのだと思います。(栄養学的な、詳しいことは知りませんが・・・。)
先日、ごまの和田萬に行った時、応接間に南米「パラグアイ」の地図が貼ってありました。パラグアイは胡麻の有数の産地で、なんと、落花生もそうなのです。
つまり、胡麻と落花生は、生まれも、育ちも仲良しで、「ごまピー」のように、お菓子になってもいい関係なのです。
因みに、皆さん、「パラグアイ」って南米のどこにあるか、わかりますか?
考えてみれば、僕の友達のお菓子屋、つまり、煎餅屋、飴屋、あられ屋、クッキー屋などなど、皆んな胡麻を使っています。従って、胡麻は落花生とだけいい関係なのではなくて、お菓子みんなといい関係なのでした。
「胡麻」って、なんて八方美人なのでしょうか。

=プロフィール=
北野 登己郎<Kitano Tomio>
1965年 大阪生まれ。大阪富田林にて、豆菓子の製造を専業とする(株)冨士屋製菓本舗の3代目。
また、在阪のお菓子屋の若手で組織する「大阪菓業青年クラブ」の副理事長としても活躍中。

(株)冨士屋製菓本舗
Tel.0721-52-2966/Fax.0721-53-6005

◆次回12月号のごまのある日常「1ゴマ日記」もお楽しみに!
乞うご期待。


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