セ・サ・ミ 日記

−2000年4月−


2000.04.30

老松町の骨董祭。ごく近所なのに連休中のこのイベントには3年ぶ
り。オークションを期待していったが、前日に終わったのかどうも
人出も少ない。信楽の擂り鉢が10萬円ででていたが、いつの時代
のものやら出展者側もわからず、単に土器にしか見えなかったので
パス。くらわんか茶碗も見あたらずガッカリだが、衝動買いもせず。


2000.04.29

刑務所ものと精神病院ものが好き。これが合体したとてつもない映
画『ハーモニーベイの夜明け』は全く期待はずれの文部省推薦キマ
ジメ派。精神鑑定人と犯人の二大主役の葛藤図式も演劇的パターン。
でもキューバ・グッティング・Jrの愛嬌のある表情が魅力で退屈
はしない。今人気のデイゼル・ワシントンよりこちらの方がご贔屓。


2000.04.28

『グリコ・森永事件ー最重要参考人M』で元読売の大谷昭宏氏と<
キツネ目の男>宮崎学氏が検証対談。時効後マスコミにも登場、な
かなかキンタマの座った男という印象あり。アリバイさえなければ
確実に犯人と断定したくなるほどの疑惑。反権力ぶりが半端じゃな
い。誰も血を流しはしなかったが壮年社長江崎氏の沈黙への苦悩は。


2000.04.26

小淵沢の高原で『えほん村』を運営している松村太三郎、雅子さん
の御夫婦が来阪。木の造形作家と絵本作家のお二人が移り住んでも
う16年とか。やわらかな自然に包まれての暮らしがそのまま作品
に反映されている。個展で心ひかれたのがきっかけですぐラブコー
ル。大好評ごまやん人形の第二弾。わだまんのごまクラフトを依頼。


2000.04.25

漫画『美味しんぼ』を待たずとも、食器で魯山人はすでに超有名だ
った。白崎秀雄の『北大路魯山人』はその傲岸不遜な生き様と天才
肌の芸術性へ緻密に迫る。煮ても焼いても食えない性格故に評価が、
正へも負へも異常な屈折を招いている。近代美術界のブラックホー
ルのような存在。この白崎作品にも批判があるがともかくオモロイ。


2000.04.24

ネオ・ナチの動勢は不気味だ。ヨーロッパにも極右グループの台頭
で騒擾気配。『アメリカン・ヒストリーX』は扇情的要素を排し、
誰しもに芽生える差別意識への要因を探って説得力ある映画。『ファ
イト・クラブ』のエドワード・ノートンがここでも圧倒的な存在感。
弟、父が構図的だが現実に多勢であろうし、刑務所の黒人もうまい。


2000.04.23

『五月の笹が峰』は相澤啓三氏の新詩集。タイトルとなった詩には、
<記憶を共にする人たちに>という添え書きがあり、その他の詩も
建石修志、原田力男、小島章司ら異ジャンルの仲間たちとの交際で
得たモチーフであることを明示しているのが興味深い。「セザンヌ
の大水浴図を見るたびにぼくは味噌搗きの湯気と活気を思い出す」。


2000.04.22

能「谷行」を大槻文蔵のシテで観る。山伏の行に関わる師弟愛がテー
マ。子役、大勢の山伏、役行者、ダイナミックな鬼神。めまぐるし
い場面展開と躍動感。能の作品としては先の世阿弥作の「班女」の
方が舞のおもしろさがあるのだろうが、見巧者になるまでは正直い
って退屈。狂言が人気復活だけに能楽も若い世代の足が向く工夫を。


2000.04.20

ごまやんのすりばち大賞>にぼちぼち応募の問い合わせ。最終審
査をしていただく先生方を発表。備前焼の北野勝彦氏には工芸の美
を。日経新聞連載中料理人の石原明子氏には用の美を。おはよう朝
日チーフプロデューサーの久保田晃氏には現代性の美を。そして魔
王たる歌人、塚本邦雄氏には不易流行の総合美を、評価基準に依頼。


2000.04.17

オンライン歌仙、定型組VS現代詩組。両チーム満尾。定型組メン
バーとしては、臓器移植、有珠山噴火など場面転換も社会性を孕み
ながら変化ありで句も締まっていたと評価しているが、今回のよう
に比較対照するものがあれば外部の読者はどう見るか、ききたいと
ころ。初表の月は出るもの雨月はアウトの指摘あり。月がでたでた。


2000.04.16

オンライン句会主催、魚村晋太郎さんの今日はオフの方のP句会。
修学院のあたり、間近に迫りくる桜は圧倒的な迫力で咲き競い、舞
いみだれ、背景の山はと見ればあちらの桜、こちらの桜が見事な色
の地模様をなすという贅沢の極み。もう俳句はいいか。「手鏡にな
かぬ鳥棲む五月闇」ヒロ子。「春雷や抜け殻の姉廊下拭く」晋太郎。


2000.04.15

つるつる光ってごまやん人形みたい。花村萬月さんが擂り鉢をもっ
てにっこり。その写真がオール読物に掲載されて以来、わだまん店
頭のごまやん人形に似てますね、と声をかけられる。なるほど金ぴ
か頭の光沢もさることながら愛嬌のある笑顔が兄貴分らしい。フォ
ーカスで刺激の強い連載中だけど、金ごまファンは読んでるかしら?


2000.04.14

大阪大丸で『藪内佐斗司の世界展』。数年前ちらっと一瞬彼の作品
を見た。それ以来、追い風童子は僕のこころに住み着いてしまった。
自意識過剰の現代彫刻に背をむけて、鎌倉期の無名の仏師の姿勢か
ら創造される童子たちはヒトゲノムの集積回路。元から日本人の精
神にあったものを童子にしたともいえる。お気に入りは「獏の童子」。


2000.04.13

『くらわんか茶碗』の看板を電車の車窓からチラと見た、と歌友、
佐藤仁が教えてくれた。かって淀川のくらわんか船で使われていた
湯飲み茶碗であろうと推測するのだが、どんなものか是非手にとっ
て見たい。使いたい。作りたい。存在するものなら、今までにたと
えば土産物屋などでも見かけそうなはずだが。御存知の方、情報を。


2000.04.11

天満の天神橋商店街は日本一長い。1丁目から10丁目まであるか
らみんな「じゅっちょめのコロッケ屋」みたいな言い方してる。じ
ゅっちょめ淋しなったからよそからもお客さん来て欲して、修学旅
行に目ぇつけてんて。大阪弁おせたってからお好み焼き屋とかたこ
焼き屋で作ったり売ったりしてもらうらしいわ。どんなもんやろな。


2000.04.09

いざ信楽へ。今回は穴窯むけて2回目の作品作り。擂り鉢と足つき
の四方皿に挑戦。梅が満開、鶯が鳴いて、一同これは演出かと疑う
しまつ。きのうは夙川にそって桜歩きしたばかり。歌仙でいえば禁
じられた季戻り。蕗の薹とねこやなぎと山椿をとってきて自作の器
に投げ入れ。部屋中ねこやなぎがポロポロおちて毛だらけ虫だらけ。


2000.04.08

石原明子さんの『味の取り寄せ便』が日本経済新聞の毎土曜日の夕
刊で再スタート。今回は「勘三郎せんべい」。石原さんの取り上げ
るのは昔からその地域では知る人ぞ知る味の老舗。でも金もうけが
へたで手間のかかることばかりしている。大量注文が来たら困るの
でできるだけ雑誌なんかに書かれたくない。そんな人柄が味でして。


2000.04.07

和田萬の金ごま紹介が掲載された『ミセス』5月号に、書は楽し!
特集で篆刻の記事あり。つい先日、大象の名を篆刻した落款を頂戴
したばかり。ごめんなさい、シャチハタ代わりでいいですか。魯山
人も篆刻家出身とか。篆刻とは古来その神聖な霊力を含んだ文字を
石や木に刻むこと。霊のデザイン化と考えればやりたくなってきた。


2000.04.06

ショック塾。「筍の時限装置は止められず」伏兎。筍の伸びる早さ
も驚きだが、形状そのものも砲弾のようで装置めいている、いや産
毛に覆われた皮からして鈍器っぽい、などと妙な連想に。「筍の若
竹となる美しき夜」翆胡。筍はいつ竹になるの?「ぐい呑みをコッ
プに替えてゴネはじめ」一計。季語も無く川柳だが、ゴネ効いて天。


2000.04.05

『dancyu』5月号そば特集。関西圏に限っていえば取材が雑。
全国区の雑誌の取材は関東集中型で関西はいつも付けたしの感あり。
この号でも昨年11月『あまから手帖』の特集とほとんど重複。関
西発でもっとつっこんだ食いもん情報誌があってもよさそうだ。単
なる評判店の紹介でなく、どたまから涎がじんわり湧いてきそうな。


2000.04.03

近くのギャラリー堂島へ自転車でブラリ。ここは衛星放
送の陶芸の時間に登場する中堅、新人など実力派作品が
気楽に見れるのでオススメ。きょうは信楽の作家、上田
光春さん。先日から信楽に通い始めているので恥知らず
にも質問。とても穏やな人柄、今度は窯場を訪ねる事に。


2000.04.02

桃雪亭歌仙。2月末に初折表裏。本日名残。メインはア
ロース・コルトンのワイン。長年のワイン会変身の歌仙
の会。スタートが雪、本日桜と季節の移りも出来過ぎの
感。いずれも初心者だが5人が5人遊びの名人。苦吟難
吟無事萬尾まで。挙句は春「すみれ香しワインと共に」。


2000.04.01

三日見ぬ間に桜かな、ではないが四月馬鹿のうそのよう
に突然桜が咲き出す。そういえば、グルになって仕掛け
る<さくら>の語源て何?先週、会社への税務調査とし
つこい風邪で最悪状態だったので、今年の四月はばかに
うれしい。「桜散るあなたも河馬になりなさい」の心境。


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