セ・サ・ミ 日記

−2000年5月−


2000.05.21

「曙の空色のシャツラフに着て最初に会った奴がOK」が見事逆選
5点を獲得。<曙>が題の玲瓏歌会。最近、一茶を読んで「曙の空
色衣かへにけり」というのがあったので戴いただけのこと。逆選よ
り無視に値する駄作。後で最近の少年犯罪が根にあるのかと問われ
たが。「まだ夜の貌を残して髭を剃るあけぼのという見せ消ちの時」。


2000.05.19

日経新聞連載中の<日本美術にみる「乱暴力」>は実に面白い。完
成され、非のうちどころのない美の世界より、破滅的で暴力性の噴
出したものに時として心惹かれるものだ。それを時代を超えて日本
美学から抽出しようとするもの。縄文土器、岡本太郎はもとより国
宝級の雪舟、等伯らにも乱暴力を見つけ出していく視点がユニーク。


2000.05.17

「愚かな者のくちびるは争いを起こし、その口はむち打つ者を呼び
寄せる。愚かな者の口は自分の滅びとなり、そのくちびるは自分の
たましいのわなとなる。人の心の高慢は破滅に先立ち、謙遜は栄誉
に先立つ」。朝メールボックスから、ソロモンの箴言が飛び込んで
きた。その昔、交流会で指導していただいた中野工先生から。深謝。


2000.05.14

信楽、いよいよ窯出し。怒り狂い、猛り吠えた炎が最後に笑ったか。
皆、息を飲むなか窯を崩す。信楽山工房は丘の上にあり、次々と窯
から出された作品が5月の風のなかに並べられる。火色、ビードロ
などの窯変の魅力はいうまでもないが、休憩後その茶碗で薄茶をい
ただいたら、また違った魅力がでてきたのもいい経験。ヘタも楽し。


2000.05.13

大阪三越で日本伝統工芸近畿展。普段接する機会の少ない木竹工、
漆芸が楽しみでのぞきにいく。森安子さんの漆の赤と黒のコントラ
ストは魔法の魅力あり。5/12に漆芸の解説をお茶の仲間の岸本
圭司君がしているが聴けなかったのが残念。それにしても伝統工芸
自体が生活からあまりに遠く、高嶺の花の鑑賞用というのは悲劇だ。


2000.05.11

昔はこんなじゃなかったの味の代表<トマト>が兼題のショック塾
伏兎「一万のSF実るトマトの木」はすでに現実だが目の当たりす
るからこそSF感を強く意識する。「懺悔より血色トマトのぬるき
味」睡月の退廃完熟より「小さき畠海士のトマトも色付きぬ」増湖
の露地もの滋味に人気が集まるのも世紀末より新世紀曙への期待か。


2000.05.10

食友、豚々氏よりごまの成分<セサミン>に関しての情報。早速そ
のHPに飛ぶ。スポーツ医学の教授の談話でさすが詳しい。ついで
にこのトップをのぞいたら「こだわりアカデミー・教授対談シリー
」とある。理科系文化系網羅して知的スリリングな対談ズラリ。
さらに元たどれば某不動産会社HPの企画もの。やってくれますね。


2000.05.09

産経朝刊で天満仲間、段野昆布が紹介された。大阪食文化の昆布資
料館開設へ奮闘中。先日東京からの知人をおでんやにつれていった
ら大根などにとろろ昆布がのってだされてビックリ。東京人にとろ
ろは珍味。刃物の町、堺で昆布加工のとろろやおぼろができたので
大阪人にはなじみの食材。北海道昆布が大阪名物なのもおもろい話。


2000.05.07

信楽で仮眠。薪割りの邪魔をした後、逢魔が時の京都法住寺へ。桃
山晴衣の『梁塵秘抄』を聴く。後白河院が町ゆく傀儡女、白拍子を
引っ張り込んで歌謡を集めたのはすごい。遊びせんとや、は日本人
の思想であり、今様はエネルギーのデザイン化、と思いをはせると
ワクワクしてくる。客席交流会は高度な熱気で京都の魑魅魍魎跋扈。


2000.05.06

この日を待っていた。信楽山工房の穴窯の火入れ。4日ほどかけて
じっくり温度をあげ1300度あたりまでもっていき、4日ほどか
けてさましていく。炎の舌にまかせるしかない、のだがその炎の走
り具合をいかにコントロールするかはやはり作り手の技でもある。
徹夜で窯に真向かっていると、火は時空を超え様々の交歓をくれた。


2000.05.04

海外での俳句熱は高まる一方。柔道が日本のお家芸ではないように
俳句もそうなるのでは。その時諸外国の俳人が師と仰ぐのは芭蕉や
蕪村ではなく一茶。その普遍性と通俗性が遠い未来にも遙かな国に
も通じる。と紹介するのは宗左近の『小林一茶』。「春雨や喰れ残
りの鴨が鳴く」「初雪や今に煮らるる豚あそぶ」。やっぱり三番手。


2000.05.03

期待しなかった分ひろいものの『アメリカン・ビューティ』。ブラッ
クなのにシニカルじゃなく、陽気に笑ってしまう。この家庭がアメ
リカ的だと思う観客はもういない。リストラ、不倫、薬、ゲイ。こ
れらが日本人の日常になってしまっていることに映画とは関係なく
ある種の感慨を持った。『日本的美学』の題でこんな映画つくれば。


2000.05.01

物議をかもしている『作家の値うち』。福田和也のかかってこんか
いの姿勢は脂肪太りの顔にみなぎって。丸谷、大江、鈴木、船戸の
バッサリは納得だが、高得点の村上春樹、島田荘司はいかがなもの
か。ワイン批評のパーカーJrだって突如無名のワインをシンデレ
ラにするんだから、美食家和也さん、ズブの新人を捕まえてきてよ。


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