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2001.01.30
岡野弘彦著『折口信夫伝』。民族学と短歌の世界に畏れの気配をも
って支配する「釈迢空」。<まれびと><天つ罪>等断片のキーワー
ドでうかがうだけであったが、死に至る7年間を同居した著者なら
ではの展開する迢空の世界にひきずりこまれてしまった。先週訪れ
た湖北の村の習俗<おこない>には呪術の要素が強いことも知った。
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2001.01.28
日経夕刊の思わず笑ってしまうエッセイに惹かれて平田俊子詩集
『手紙、のち雨』。のっけから「タイトル会議」で詩集のタイトル
をつけるやりとりの詩。意表をつくようで真面目。「ゴキブリ注意
報」「巡回歯医者」おもろい。全部読み終わってもタイトルが気に
なって手紙と雨がテーマになった詩を捜してみる。ふーん、そうか。
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2001.01.27
肉といえば昔、関西は牛で関東は豚だった。石毛直道『上方食談』
によると西の田は牛、東の畑は馬が耕していた。食肉解禁後、牛の
無い東は豚に。なるほど、の詰まったこの本でもう一つ。灘、伏見
さしおいて酒の粕漬けを奈良漬けというのは?室町時代、奈良は「
南都諸白」という名酒の産地だったから。隠れ奈良漬けの悩み解消。
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2001.01.26
パリの三ツ星レストランから肉のメニューが消えたという。この1
月ミラノにいたときも食材店に牛肉はみかけなかった。ジビエ類が
美味しいので全く気にしなかったが、狂牛病騒動で欧州は集団ヒス
テリー。日本は水際で防止しているのでマスコミ報道も抑え気味。
牛の細胞使用の医薬品、化粧品までいうと怖いが無用な煽りも困る。
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2001.01.25
『性同一障害』は吉永みち子の性転換医療レポート。いろんな意識
段階ありだが「無人島に流れ着いた時、トランスジェンダーの人は
社会を意識して反対の性で暮らさなくていいので解放される。トラ
ンスセクシャルの人は裸になった自分は求めている身体をしていな
いのでなおさらうちのめされて生きて行くしかない」。半陰陽は別。
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2001.01.24
グリーナウェイの映画を観るとよくケン・ラッセルと同気質を感じ
るが両者イギリス人となると、なるほどフェリーニやヴィスコンティ
とは違う。知的狂気の洪水度というか。作品に対する興奮と失望の
ギャップもこの二人は極端に激しい。新作『81/2の女たち』の地
震とエロの薄っぺらさは何だ。阪神大震災を大阪で経験してるのに。
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2001.01.22
石橋商店の<天王寺蕪>の漬物もろてから、なにわ野菜に注目。田
辺大根、毛馬胡瓜、河内一寸空豆・・・といろいろ。こら知らなん
だ。<こつまなんきん>ゆうたら今東光。そら八尾の名物や、思て
たら<勝間南瓜>勝間は昔の住吉玉出へんのことやて。かぼちゃは
ちっちょてうまい。せやけど嵯峨美智子て子供心にドキドキしたわ。
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2001.01.21
泊まったQ村は宇宙的貴種。御当主は40歳ぐらいだが話の途中
「ついこないだ」というこないだが400年前の村の事件。何十年
に1回、村の役目である<おこない>の順が巡ってくるが、オラン
ダ在住の時期にあたり即、職をなげうって帰国。その神事は一年続
くという。散歩ですれ違った神主は89代目。橋を渡れば普通の村。
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2001.01.20
桃雪亭歌仙冬の巻。余呉湖で鴨鍋。京都あたりから大雪。豪雪の湖
北は絶好の歌仙舞台設定。インターネットじゃつまらない。歌仙は
座の文芸。食いしん坊が6人雁首ならべ天然の青首鴨に地酒<七本
槍>。順番きても、鍋が気になって句ができず。ああ、シアワセ気
分と歌仙の出来は反比例。夜中、霊が舞う神社参りで雪に埋もれる。
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2001.01.19
柴田千晶の詩集『空室』はドキュメント『東電OL殺人事件』とは
違った手法で現代の病理を抉った力作。ローソンのおでんを終電車
の中で食べ、路上で静かな放尿をし、空室で殺されたエリート女性
の姿を俳句、散文、韻文で追う。他者と自己は幾度となく反転を繰
り返し、嫌悪すべき温みのなかで、私もまた一つの告白を迫られる。
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2001.01.18
本日の『増殖する俳句歳時記』は杏田郎平「湯婆などむかしむかし
を売る小店」。食の句を捜してるので、湯葉の句もいいなあ。とこ
ろが、ああはずかしい。<ゆたんぽ>だって。この句の話をしたら
友人は場末のトルコ、と読み違い。<婆>とは妻。ゆたんぽが同衾
する温みを思わせるから、と清水哲男解説。<竹夫人>も同根発想。
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2001.01.14
道頓堀のグリコの看板には大阪名所が4つ。大阪城、通天閣、海遊
館ともう1つ何?さあなんやろ。クイズの正解は大阪ドーム。とい
われても野球音痴、若者イベント情報不足の身としてはピンとこな
い。そこで<テーブルコーディネイトフェア>開催中というので初
めてドームに参上。食に関わるだけに興味はあったがただ疲労困憊。
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2001.01.13
『写楽は北斎である』は刺激的。田中英道氏が写楽活動10ヶ月の
全作品140点を北斎、豊国、歌麿との類似、相違をチェック、説
得力あり。偶々松阪屋で『浮世絵展』開催中。興味津々でのぞく。
大雑把に役者絵とみていた個々の特徴が見えてくる。細部+極端な
破壊に近い表現形態に挑む狂気から同一人物と認定する展開に賛成。
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2001.01.12
過食症、拒食症は興味ある現代病だ。脳の食欲刺激は<グリシン>
というホルモン作用が影響しており、肥満防止にも研究がすすんで
いるらしい。そう聞くと残念なことがある。いつも不思議な感動を
よぶTVチャンピオンの大喰い選手権。不思議領域のままがいいの
だが「赤坂さん、グレリンの分泌がすごいんだ」て見ると面白半減。
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2001.01.11
「篭の海老がさり厨の大旦(おおあした)」翠胡をめでたく天に選
んだ食句塾初句会。「元旦やきのう炊きたるもの並べ」奈都鬼、「
海老並べそれなりにする一の重」睡月のそれぞれの正月も過ぎ、仕
事始めは「開拓の話聞くより蟹三昧」花火。「烏賊耳の渾名もつ父
冬帽子」伏兎さん快調。釈阿さん新加入で今年は食句暦制作が目標。
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2001.01.10
<商売繁盛で笹もって来い>の十日戎。えべっさんの福飴を十八屋
弥兵衛を名乗る飴屋さんからもらう。ねじり飴と面形飴の2種。ね
じりはお寺のガラガラ鈴の下げ紐。面形はいわゆる金太郎飴でここ
ではおたふくが舐めても舐めてもでてくるわけ。伝統の技を絶やさ
ぬため年に一度作るがお代は頂戴しません、という姿勢がうれしい。
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2001.01.09
『川崎山王町小嵐家の台所』は小嵐九八郎さんの自然食レシピ。生
半可じゃない、スジガネ入りのサバイバル。グルメ食べ歩きや気取っ
た食文化論エッセイはぶっとぶ。どぶろく造りから納豆まで全項目、
素材とレシピに徹した凄み。手作りワインや焼酎に画家でもある奥
さんがボトルラベルを描く。製造九八郎、実働紘子とあるのが愛嬌。
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2001.01.08
富山県立美術館へ。フランシス・ベーコンの「横たわる人」1作を
みるために。溶解する肉塊に化した男。この美術館はユニーク。地
元の子供たちの作品と難解現代アートを並列にならべて、みんなが
はさみを持ったりして遊んでる。地方で気を吐く「ギャラリーNO
W」の後、ねっとりバカウマの蟹の子をパコッと食べてとんぼ帰り。
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2001.01.07
「味の素」がインドネシアで製品回収、幹部逮捕。イスラム教が禁
じている豚肉の成分が使用されていたという疑い。20世紀の大発
明といっていい世界企業のこと、当然科学的にすりぬけられる方法
をとっていたのだろうが、国民感情とどう摩擦が生じたのか?40
年前、いとこは漬物に1センチ味の素をふって頭がよくなったっけ
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2001.01.06
新年会。料亭正月メニュー<ちょろぎ><つくばね>がでる。たの
しい。<ちょろぎ>は年末には黒門、天満市場の八百屋で簡単に手
にはいるわりに知られていない。ゆりねみたいなもの。<千代呂木
><長老喜>のおめでたい字をあてる。<つくばね>はそのまま羽
子板の羽根に似た木の実。青森で獲れるとか。むろん食べてもよし。
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2001.01.05
胡麻を扱う乾物屋としては日本食文化をになう乾物類の消費も気に
なる。高野豆腐にダイオキシン排泄効果あり、の発表。ふつうの水
分の多い豆腐に比べ栄養が凝縮されているし、いいことずくめだが、
ここしばらく食べたことがない、いや巻きずしにはいっていたかも。
我が家のすき焼きには高野豆腐が入っていて、箸でおしのけたっけ。
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2001.01.04
ミラノは雪。クリスマスから新年にかけてのルミナリエが各通りご
とにちがう。街路樹が雪で白くなりライトが栄える。ファッション
のミラノコレクションはもちろん素通り、おみやげは食材以外は鍋
敷き1つ300円也。帰る日は濃い霧となり飛行機が飛ばない。ナ
ポリ方面に帰るイタリア人の抗議の興奮しゃべりは大阪人そっくり。
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2001.01.03
3日間ミラノの街を歩き続ける。お目当ては食材屋さん。ペック、
イル・サルマリオ。チーズ、生ハム、生菓子、惣菜の量、質は圧巻。
うずらなどのジビエ類も豊富だが、赤い鶏冠、目玉をぎょろつかせ
た頭付きで鶏肉、雉肉がずらり並ぶショーケースはみもの。ピッツ
ェリアで満腹なのに買い込んだ食材をホテルで夜食するいじましさ。
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2001.01.02
カラバッジオの作品をブレラとアンプロジアーナの両美術館で。む
しろ無名作品群の悪意たっぷり血みどろ宗教画にたじろいでしまう。
通りからのぞく一般オフィスの中庭も美術館のごとし。椅子、家具
等におけるミラノの洗練の奥行きというべきか。安物ホテルでも照
明スィッチまでセンスあり。本屋はここもハリーポッターが大人気。
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2001.01.01
ミラノへ。機上にて新世紀。8時間の時差で到着は現地まだ大晦日。
ドゥオモ大聖堂前には正月カウントダウンの大群衆。スプマンテ(
発泡酒)を呷っての陽気な乱痴気騒ぎ。初詣で粛々とお屠蘇をいた
だくのとはちと違う。翌朝の教会の外は立小便とゲロだらけ。教会
の内では懺悔の告白ゲロ。イタリア人はかくもたくましき新陳代謝。
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