セ・サ・ミ 日記

−1999年8月−


1999.08.27

「買ってはいけない」。味の素、花王などトップ企業攻撃中のベス
トセラー。環境ホルモンで人間が変態化するのはまちがいない。生
命体の長期サイクルからみて容易に想像しうる現象だ。一企業の責
任ではない。ただ現時点で私は資料公開をいいたい。エイズを厚生
省は隠蔽した。「自社の食品は食べない」を冗談と笑ってるうちは。


1999.08.26

テリー・ギリアム監督の「未来世紀ブラジル」をシネ・ヌーヴォ梅
田で。見逃していたので期待は大。「ブレード・ランナー」のムン
ムンムレムレ熱狂版、と勝手にきめこんでいたが、しょもない、よ
くある管理社会うんぬんのノーテンキ版。サンバのリズムもしょぼ
くれて、ああもっとボボ・ブラジルしてほしかった。これがカルト?


1999.08.23

ビジネスニュースに資生堂の体臭消し化粧品バカ売れ。40歳以上
が対象。汗をかく世代のフェロモン体臭ではなく、こちらは腐臭?
ああ情けない。大学病院の口臭外来は3ヶ月予約待ち。関係ないが、
大阪でトップの仏料理店で2度ともテーブルのすぐわきに強烈な香
りのカサブランカが。料理の香りもおぞましく。どういう神経?!


1999.08.22

一年ぶりに再開の<黄昏亭句会>。4つの不定期の句会に参加して
いるがそれぞれに味。ここが兼題なしで席題4つ。批評会も深夜に
および体力がいる。「古楽器の値段聞かずに町を去り」黒田。「古
楽器の音も聞かずに値段聞き」とすかさずちゃちゃがはいったが、
うーんいいよね。「再会日櫛の歯でよむ長い夜」垣内。初顔シブイ。


1999.08.21

堂本正樹が16歳のとき書いた伝説の新作能「蛙ケ沼」が50年ぶ
りに大槻文蔵のシテで。女神の呪いで蛙にされてしまった里人のギ
リシア神話が骨。演出も古典を踏襲しているようだが、舞台の使い
方や細部にわたって新鮮。間狂言が秀逸で徹底的にブラック。水や
ライトでの実験的な能が上滑りするなかで、確実な成果ありとみた。


1999.08.20

トルコ大地震、死者一万人に。はるか遠国の天変も阪神大震災の記
憶なまなましい関西人には痛ましいニュース。寒さが苦悩を突き刺
した神戸、炎熱が絶望を炒りあげるイズミット。累々たる瓦礫が人
間を荘厳する。トルコは金胡麻の主生産国。わが社には極めて近い。
復興を口にする段階ではない。天変もたくましく受け入れよ。祈る。


1999.08.16

「変身放火論」多田道太郎。人糞化学研究所と聞き間違えられて、
ええネーミングやと笑う京大人文科学研究所の名誉教授。「八百屋
お七」から「ノルウェーの森」まで五幕仕立ての軽妙な語り口。放
火を論じながら、哲学から風俗、あちこちに付け火をしてまわり、
けむにまく。先日初めてお会いしましたが、論より証拠の怪人です。


1999.08.15

「EYES WIDE SHAT」キューブリックの遺作というからには、とやっ
とこさ映画館へ。脳の甘皮に氷の刃を押しつけていくようなピアノ
の音楽効果が絶妙。ほめるのはここまで。セックスをテーマに、極
めてわかりやすくつまらん出来。だいたいトム・クルーズに性的魔
力が無い。難解とか単純とかの文句は、おもしろない時のつけたし。


1999.08.14

歌仙をふたつ同時進行中。メール歌仙はファックス歌仙より巻きや
すい。全く違うグループなので、進んでゆく波のうねり方も怒濤と
のたり、ほどちがう。歌仙は茶会に似ている。歌仙の捌は茶会の亭
主。亭主はどんな趣向でもてなすか、客はそれをくみ取って一座が
もりあがる。ルールも、厳守、無視いずれでも亭主のこころ配りで。


1999.08.12

ごますり人形「ごまやん」の大好評に答えて、ごまやんTシャツ
できました。かわいいワンポイントシャツとしてみなさんに着ても
らいたいので、わだまんの宣伝色は消してあります。とりあえずは、
インターネット通販で3万円以上ご注文のお客様にもれなくプレゼ
ント。あと、ごまやんエプロンも計画中。ごまかし上手になれます。


1999.08.10

黒川博行「文福茶釜」。美大出身のミステリー作家が骨董ブームの
裏の世界をネタばらし。水墨画の<相剥>、目録図版の差替の手口
から、あらかじめ複製を本物とするブロンズ彫刻の世界、コミック
アートのお宝度、美術展企画、美術雑誌の営業実体など、あらゆる
角度から<お美術>の世界がたのしめる。大阪のサービスたっぷり。


1999.08.05

「そうめん蛸と渾名されし子相撲部員」一計。そうめん蛸とは?細
くてふにゃけた情けない蛸、で盛り上がったショック塾。兼題そう
めん。「そうめんや武満徹という知性」大象。ノーベンバーステッ
プにそうめんなんかもってくんな、一発ダウン。「朝顔の紺ほろぼ
して熟睡時」翠胡より「緑田のひろがるアジア午睡中」伏兎に軍配。


1999.08.01

夕さりの茶事。猛暑この季節は朝茶事だが、趣向を変えて夕つ方や
や陽の陰った時刻を選んで。蹲いから露地を通って小間に入ってい
く正式の茶事はタイムトンネルを異界へくぐり抜けていく心地よさ。
「緑樹陰濃夏日長」掛け物を前に武将、茶人の乱世を思うも一興。
「夕さりに一期幽かと愛しめりかげ濃やかな一会なりせば」大象。


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