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過去の日記
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(2003/01)


2003/01/30(Thr)
税務調査。3年ごとのことながら「まいどいらっしゃい」と歓待する
相手でもございません。こんなときは『銭金について』。車谷長吉の
エッセイは性根の据わった凄み。尻軽軽薄派のかわゆい憂鬱は片手で
ひねりつぶされて落ち着くのである。晩年の白洲正子と交流があった
ようだが、このふたり対座してるのを想像するだけで、心頭滅却の感。




2003/01/25(Sat)
桃雪亭歌仙。場所変えて新婚の京都豚々亭を襲う。錦の市場からの
豊富な食材がずらりと並ぶ雅な食卓をかこんでのスタート。今回は
「福助のお辞儀は永遠に雪が降る」(鳥居真理子)を発句に脇起こ
し「無くて七癖白鳥のくせ」(世叉弥)。連衆に加わらないけど初
折の花の座は白鳥の如き新妻に。花を持たせる、て粋な言葉だねぇ。


2003/01/22(Wed)
『沖縄第一ホテル』は名前とは大違いの鄙びた宿。『日本の朝ごは
ん』という名著にも紹介されたモーニングはなるほど納得の50種
類の薬草、野菜づくし。首里士族の気概をみせる重厚な食堂で琉球
ガラスや壺屋焼の小皿が次々と手品のごとくでては食べつづける健
康な快楽。「琉球の鄙びた館に語るとき物の怪どもがぬっそり笑う」


2003/01/21(Tue)
『うりずん』の土壁の棚にはズラリ焼締めの瓶。地元常連のキープ
する泡盛、古酒。どれも鮮烈。やがて手斧の背で猪首をどやす酔い
の手応え。肴は<ドゥル天>もいいが繊細な<海ぶどう>を舌で押
しつぶす時のゼラチン質の淡い肉感がたまらん。極めつけは<血イ
リチィ>「黒豚の心臓炒め泡盛で喰らいて酔いて夜気をうっちゃる」



2003/01/20(Mon)
知念城跡のある丘の頂上に突如あらわる『くるくま』。まだ観光案
内にもない掘り出しモン。ハーブの栽培も見せながらの演出やタイ
人シェフという売りもよくある観光地パターンかと思いきや味、サ
ービスともに大合格。珊瑚質むき出しの城跡歩けば怨念に肩抱かれ。
「色彩は光ひびきあう楽と知る 光いちまい纏う海人(うみんちゅ)」



2003/01/18(Sat)
久々に道頓堀『たこ梅』に寄ったら長期休業中。閉店でもないよう
だが。<さえずり>が恋しい。錫の酒器、勘定札、割烹着のおばち
ゃんのなにもかもが<関東煮>にしみこんでの絶品。分家なのか梅
田ガード下『たこ梅』の兄ちゃん。終了間際の押売りと終了直後の
追出しの豹変ぶりは凄まじく一つの芸。吉田健一ならなんと思うか?


2003/01/15(Wed)
栄養分析表の『炭水化物』は2項目にわかれ<糖質><繊維>とな
っているが別項目に<食物繊維>の数値がある場合、この<繊維>
の数値と大きく違うのが疑問。果物に多いペクチンなどの水溶性の
繊維を含めた数値が<食物繊維>ということらしい。一時この言葉
もブームになったがスジの残る野菜でしかピンとこないのでは・・。


2003/01/12(Sun)
1月は毎年富山の「ギャラリーNOW」にいくのが楽しみ。去年は
野田雄一さんのガラス工房の中まで入り込んで10センチ球のペー
パーウェイトを作って遊ばせてもらったり思わず中村正義の「舞妓」
と出会ったり。今年はマックス・ノイマン。ラフな線と鮮烈な赤の
ポイントで深層心理を摘出する技法は短歌的。現地の鱒寿司は旨い。



2003/01/09(Thr)
「死顔はこの顔と決め初鏡」。一計の凄みでキリッと締まる食句塾
初句会。死顔、縁起悪しという評もでたが視点変えればユーモアた
っぷり。「牡蠣・大根」食の兼題二題より席題「茶髪」で翠胡「牡
丹雪独り王国に棲む茶髪」。鮮度の薄い題にもかかわらず、雪のカ
タルシスが引籠もりの部屋を王国への荘厳な祈りと昇華させた手柄。


2003/01/06(Mon)
年初から国産ゴマの問い合わせが多い。わだまんの03年度も国産
ゴマの契約栽培量を増やすため六甲山越え奥地の農家訪問。転作を
迫られ田圃に立ちつくすおっちゃん達の苦悩は深い。帰りに甲陽園
を回るコースをとったらケーキショップ『つまがり』前に観光バス。
農家おばちゃん軍団が占拠し手に手に高級クッキーとこぼれる笑顔。


2003/01/05(Sun)
『レ・ミューズ』今年二つ星に昇格。雌鹿にグサリとバニラビーン
ズを刺したままの野趣も天晴れならかいまみせるジャポニスムも見
事。三つ星『プラザ・アテネ』。生クリームを貴族的に泡だたせる
が金粉の匂いはすれど優しさの口溶けがない。シェフ失墜。「アラ
ン・デュカス夢魔に変身 顔中に黒いトリュフを敷き詰めてゆく」。


2003/01/04(Sat)
フレンチはメイン終了後のデザートの物量に打ちのめされる。なか
でもショコラ。『ジャン・ポール・エバン』『ショコラ・メゾン』
の名店存在の必然性。『エディアール』二階奥の香辛料売場に迷い
込むと幾世紀か前のスパイス黄金時代にタイムスリップしゾクゾク。
「パリ三日しぐれつづけり『また遊ぼ』と茴香の舌が誘う 誰?」


2003/01/03(Fri)
『エロチズム博物館』ピガールのエロショップの一つにすぎぬ。そ
こがいい。アートとエロの塀の上の懲りない面々ほど素敵な人種は
いない。『ダリ画廊』での目的は『宇宙象』。ご存じ蜘蛛のごとく
細い足もつ象。ピンクバージョンのリトグラフを大象コレクション
の目玉に。「四つ足を空へと伸ばす象を撫で群盲我らの足の短さ」。


2003/01/02(Thr)
『モロー美術館』入口すぐ右上のくすんだ習作。詩人を抱くケンタ
ウロスが圧巻。『ポンピドーセンター』レンゾ・ピアノの設計はチ
ューブパイプむきだし。4階以上の美術館へは外壁を這う透明エス
カレーターで進む構造。入場者がすでに一つのインスタレーション
。「透明チューブ分子となりて移動する宙体一部と知れば楽しも」。


2003/01/01(Wed)
新年カウントダウンをパリで。日本でも初詣などしたことがないの
に何もシャンゼリゼまで繰り出すほどおめでたくはない。といって
も腹ごしらえにでたオペラ座周辺もとにかくパリは街中がお祭り騒
ぎ。カフェの表に牡蠣が並びはじめたら飲まずにはおれない。「シ
ャンパンラッパ飲みのカウントダウン 山彦の神酒の儀式思ほゆ」。




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[ 管理者:大象 著作:じゃわ ]