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(2003/04)


2003/04/30(Wed)
何年かぶりで天神坂上野。唯一欠点だったお酒も熱燗のほか4種類
の冷酒が用意されている。品書きのタイトルにご主人のふくらかな
造語が並ぶ。<大羮>は露多き煮物。<僅餐>は少しの粥。言葉が
ご馳走。ただ書き添えてある魯山人のえらそうな言葉はいらないの
では。上野修三さんご自身の醸し出される人間味が浪速旬膳の全て。


2003/04/29(Tue)
阪神地下、立食コーナーのカレーうどん。本来カレーライスとは別
のルーであるべきだがそんなこと気にしてへん。なおかつカレー丼
の別メニュも揃える素晴らしさ。空心町まできて『得正』のカレー
うどん。天かすとルーの調和抜群。大阪的コテコテすぎるので口直
しにご贔屓の和楽八でカレーうどん。結局5時間以内に三軒はしご。


2003/04/28(Mon)
朝食は『美山荘』。京都本店も『なかひがし』も風評は高まるばか
りだが未体験。この洞爺の出店に限れば大衆食堂のおかず。摘草料
理というなら新鮮な野菜ごとに違った甘み、苦み、食感をひきだし
て当然だがすべて同じ味付け。和食の基本のご飯がまずい。コスト
パフォーマンス最悪。ホテル内のエリック・カイザーのパンだけ◎。


2003/04/27(Sun)
三つ星シェフ、ミッシェル・ブラスのフレンチ。洞爺の雄大な自然
をとりこんだ立地条件でいえば日本のどのレストランよりベスト。
本店と同じレシピを3皿組み込んだメニュー。どれも手の込んだ下
こしらえで十分に満足できるものだがトータルで優等生的。驚きが
無い。ワインリストも重いだけで揃っていないが、ブージョで正解。


2003/04/26(Sat)
ザ・ウィンザーホテル洞爺にいきたいという衝動には二つ。食の最
高ランクを集めていること。もう一つはハウステンボス内のホテル
を成功させた実力を買われバブル倒産の幽霊城を拓銀倒産のトラブ
ルにもめげず見事2002.6月に復活させたホテルマン窪山哲雄
氏に興味があったこと。エントランス・ロビーは豪奢壮大。絶景哉。


2003/04/25(Fri)
『森町食堂』などなじみやすい墨文字ロゴの大衆食堂は天満界隈で
は昔なじみ。あちこちに店舗ができて結構中間管理職クラスまで肉
じゃがで一杯やっている。東京まで席巻しているらしく飲食業売り
上げ伸び率ランキングは2位。天神橋商店街のお寿司屋さんからビ
ッグビジネスに大躍進。うどん屋など他の形態でも墨ロゴが効果的。


2003/04/24(Thr)
納豆や緑茶に含まれている「ピロロキノリンキノン」の機能が認め
られると14番目のビタミンになる。ビタミンP。かというとそう
ではない。ほかに「葉酸」や「ナイアシン」の名前があって、すべ
てアルファベットの順番に整理されてはいないのだ。これではます
ますビタミンの定義がわからない。ともかく納豆は又ランクアップ。


2003/04/23(Wed)
健康オタク川柳募集も締切間近。お疲れ人種の時は携帯からすごい
数の応募が集まったが20歳代が多かったので回答のみ。それに比
べて今回は比較的年齢層が高く丁寧にわだまんHPに対するコメン
トを記入してくださる応募が多くていたく感激。トップページの文
字が読みづらいとの意見も多かったので、近くデザイン一新します。


2003/04/22(Tue)
『ドリームキャッチャー』。かの天才ギーガーが創造したエイリア
ンのそっくり模倣がうにょうにょするだけ。隔離地域のストーリー
展開もウィルス感染をテーマにした作品のいただき。人物配置も他
の映画の通り。タイトルは悪夢を捕獲するお守りらしいがちゃちな
蜘蛛の巣状のまさにお飾り。映画作りへのあまりの志の低さに反吐。



2003/04/21(Mon)
設計を依頼することがあって建築家の坂本昭氏の工房を訪問。華々
しい受賞歴をみると自然光を採り入れるライティングに抜群のセン
ス。テレビでは家のリフォーム番組が大流行だが、たいてい陽のあ
たらない部屋が問題。衣食住。食は健康自然食へ、住は自然光へ、
残る衣は天然素材か。すでに三宅一生は風を一枚の布とした革命家。


2003/04/20(Sun)
焼締は素朴で信楽も備前も飽きがこない。それでも火襷、ビードロ
も同工異曲で鮮度がないなあ、というとき。川淵直樹の南蛮焼締は
どこか原初の器作りの求心力がある。汲み出しより大ぶりで黒褐色
の茶碗を普段から愛用。堂島ギャラリーでの新作はさらに古代を連
想させる食器類。琵琶湖湖底の土と聞く。使いたくてウズウズする。


2003/04/19(Sat)
ミュージカル映画『シカゴ』。1920年代のスキャンダラスな大
都会。日常茶飯事の色がらみの殺し。ノー天気な連中。元禄絵巻に
八百屋お七、高橋お伝、阿部定が総出演したらもっと面白い。女子
刑務所で真っ赤な牢獄と群舞は蜷川演出そのもの。元のブロードウ
ェイが観たくなる。レニー・ゼルヴィガーのバカっちょ面がすごい。



2003/04/18(Fri)
食友豚々氏から京都山城の筍を頂戴する。即ゆがいておかないとど
んどん味がおちるので忙しい。子供の頃の定番メニューは若筍煮。
若布が大の苦手。学校から帰って台所をのぞくとどでんと大きな鍋
がある。ああまたか、とうんざり。今思うに商売人の家庭ではおか
ずは作り置きだったので新若布もどろどろお化けにとけていたのだ。



2003/04/17(Thr)
胡麻栽培をお願いしている塚原農園では平飼いの鶏卵も出荷してい
る。胡麻のカスをエサにした栄養価の高い卵を企画。胡麻効果がわ
かりやすいように若鶏でテスト開始。雛が成長してまさにはじめて
産みおとした卵を頂いた。ふるえるレモン色で淡泊なエロスの味が
した。卵が喉を通過する時とんでもないタブーを犯した罪の意識に。


2003/04/16(Wed)
造幣局の『通り抜け』も近すぎて十年に一度。その十年ぶりに一人
夜桜。品種『普賢象』の名前は蕊の曲り具合が象の鼻に似ているか
ら。といっても桜は至近距離で愛でる花ではない。桜の野放図な崩
落の美しさは通り抜けでは無理。大川の両岸びっしりの桜が夜の河
を花びらで覆い尽くし、さざ波からオフェーリアがヌッと顔を出す。


2003/04/15(Tue)
ラジオ大阪『桂こごろうのワイワイじゃーなる』に生出演。プロデ
ューサーがゴマもおもろいやんかと企画してくれたようだが、こご
ろう氏はどうもゴマにはピンとこない様子。打ち合わせからハッパ
をかけて本番も早口でまくしたててきた。わたしもゴマを栽培して
ます、というファクスが番組中にもどんどんはいってきたのは意外。


2003/04/14(Mon)
大阪にうまい蕎麦屋が出現。『蔦屋』。もりは繊細な細切り。透明
感のあるそばに黒い外殻をかすかに挽きこんである。野性味と洗練
のバランスが絶妙。田舎は太打ち。小皿に<かえし>そのままを添
えてきた。絡ませてたぐるとそばの肉感と醤油の辛みが格闘して衝
撃の味わい。表は銅座公園。狂おしいばかりの花吹雪に蕎麦で一献。



2003/04/13(Sun)
クローネンバーグの新作『スパイダー』。サブに<少年は蜘蛛にキ
スをする>。父と少年の二つの母親殺しの仕掛けで、記憶は果たし
て過去の現実かを探る物語。つるんとした少年の孤独の密室とセク
シュアルな妄想にクローネンバーグ流の粘液感覚を期待したのにど
ういうわけか求道的。この路線ファンならデビット・リンチに軍配。


2003/04/12(Sat)
戦争終結宣言。フセインがどこに逃亡したか興味は無い。それより
フセインの影武者達はこれからどうやって生きていくんだろう?き
れいに髭を剃りおとしてハンバーガーショップで接客マニアルを暗
唱している奴。倣岸不遜の面構えがたちまちくしゃおじさんのよう
に半分に縮んでる奴。カリスマ彫像が倒壊する影に幾つものドラマ。


2003/04/11(Fri)
必ず客を呼べるビジネスを発見。空港の<足裏マッサージ>。搭乗
までいつも時間をもてあます。ましてトランジットなら2時間はザ
ラ。時間潰しに最適。うまいところに目をつけたもんだ。マッサー
ジは健康産業に変身しても隠微さを残すべきとスケベー心をたくま
しくしていたら、足の親指をキツーく揉まれ絶叫。沖縄空港の快感。



2003/04/10(Thr)
市場に並ぶ食材は本土では手に入らないものばかり。見るもの触る
もの嗅ぐものほしくなる。美しくて食べるのを躊躇う『海ぶどう』。
豚の面の皮『チラガー』もかわいくてうまい。『ういきょう』がパ
リの市場のようにどっと並んでいる。フェンネルをわしづかみ、ラ
フテーも自家製ラーメン用に買い込む。昼食はイカ墨汁とグルクン。


2003/04/09(Wed)
『沖縄第一ホテル』は2度目。50品目の野菜、薬草が琉球ガラス
と沖縄壷屋陶器に次から次とならんでいく朝の食卓は壮観。今回は
ここの離れ屋『あしゃぎ』で夕食も体験。琉球士族の饗宴をしのば
せる洗練された向付けの数々。ここにも独自の豊かな文化があった
ことを納得。泡盛も典雅な味。琉球の闇で優しいモノノケ達と眠る。


2003/04/08(Tue)
注目の国内ゴマ栽培のシーズン開始。金ゴマに脚光。今年は沖縄で
『琉球金胡麻』を初企画。胡麻のお菓子はあるがチャンプルーにふ
りかける食習慣はなく、胡麻栽培農家は昔から皆無。やっと3軒が
種蒔きを受けてくれる。地元人しか入らないバラック小屋の食堂で
ソーキそばとおから。豚ばら骨についたコラーゲンをチュパチュパ。


2003/04/07(Mon)
『dancyu』5月号そば特集。トップに松本の『野麦』。若主
人の藤岡さんの朴訥な人柄から繊細で洗練されたそば切りが生れる。
彼から一度頂戴ものをした。なんだろう?大きなボウルはなんと巨
大プリン。東京でのフレンチ修行時代からお化けプリンがお得意と
か。柔らかく幸福に包み込む彼の人なつっこさそのものの味がした。


2003/04/06(Sun)
『立花隆秘書日記』佐々木千賀子。以前から立花の魅力はオカルト
や性的要素への無邪気な興味を切り捨てないところに感じていたが
やはりその関連の資料も膨大な様子。秘書も人間味溢るる女史だが
惜しいのはラストの立花への後足の砂。山口瞳『礼儀作法入門』に
「他人の前では口が腐っても会社の悪口を言うな。みっともない」。


2003/04/05(Sat)
ベトナム麺『フォー』が日本でも人気がでそう。うどん、ラーメン
の小麦粉と違って米の粉だからベトベトしない。ホーチミンの中心
街でも町はずれの屋台でも卓上に野菜というよりは野草が大皿に山
盛り置いてありそれぞれがちぎってワサッと麺にのせニョクマムで
味つけして食べる。具のバリエーションもあるしヒット間違い無し。


2003/04/04(Fri)
『24人のビリー・ミリガン』は多重人格のノンフィクションだが
日本にもこの症候群が増えているのは確か。引篭もり青年の治療に
あたっている友人の体験。対話していると彼は小学校の音楽教師や
高校の先輩、近所の自転車屋の親爺と次々に人格が変わりリアルタ
イムで当時の主張を繰り返すという。弱者の演技で処理されてきた。



2003/04/03(Thr)
食句塾スタート5年目にして俳誌を創刊。句会の元気だけでここま
で続く。今年3人目の新人、真天茶が加わり大盛況。翠胡「牛乳や
子規漫筆の春の章」。一計「誰にでもついて行きたい春の町」。伏
兎「紋黄蝶訃報とびとび町会長」。「ライバルと会うわけでなし花
衣」で女の絢爛、嫉妬、驕慢、哀切の屈折の襞を表現した萌緋が天。


2003/04/02(Wed)
法善寺横丁でまた火の手が。復興さなか。神戸の震災の時と同様に
当事者の方々のどろ沼のような絶望を思う。学生あがりでかつおの
酒盗を覚えた割烹も富山の白エビに舌をとろけさせた寿司屋も短歌
のメンバーで激論した居酒屋もアイリッシュウィスキーで乾杯した
バーも。誰のこっちゃという元気な顔で復活するにちがいないけど。


2003/04/01(Tue)
さんざしの実に漢方効果があるので胡麻と配合してみた。特有の甘
酸っぱさ。台所の隅に中国製の「さんざ餅」という薄っぺらいお菓
子がでてきた。さんざしの実を買い食いしたためにキツイおしおき
を受け自殺してしまう京劇訓練の少年のエピソードをおもいだした。
その『覇王別姫』の主役レスりー・チャンが今日飛び降り自殺した。




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[ 管理者:大象 著作:じゃわ ]