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過去の日記
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(2003/09)


2003/09/30(Tue)
荒川洋治『忘れられる過去』。誰もが感じる簡単なことを、簡単な
ことばでつづったエッセイ。美学めいたことはひとつもない。詩的
叙情を煽るわけでもない。にもかかわらず秋の水のように透明でみ
ずみずしい。内容より文章そのものが詩以上に美しい余韻。肩の力
の抜き方に鍛錬があり、肝が据わっている。柔らかな水脈に電流が。


2003/09/29(Mon)
アスペルガー症候群。又聞き慣れない精神障害が長崎の男児誘拐殺
人の中一少年に冠された。他人とかかわることが嫌いではないが、
相手の気持ちをくみとることや、暗黙のルールや言葉以外のサイン
を読みとることが難しい。と説明されるとこの傾向はすでに40歳
以下の大人でも頻繁に感じる。こころ以上に生理すら変容している。


2003/09/28(Sun)
貴重なゴマ栽培の写真を先日のエジプト出張の時、入手した。有名
な3つのピラミッドを背景にゴマを乾燥させている。手前には3人
の少年がさとうきびで遊んでいる。1924年エジプトの記述があ
るから80年前の古写真。冨士100景のように恐らくピラミッド
100景のワンカットだろう。見知らぬ国の書店めぐりは宝物探し。


2003/09/27(Sat)
短歌結社『玲瓏』全国大会。今回のゲストは安永蕗子。塚本邦雄と
同年齢。脆弱にみえて長時間の講演。しなやかなサーベルを付き従
う騎士にもたせて凛たる王女のようにも。我らが師、塚本は車椅子。
戦いに血塗られた大鉈、豪刀を静かに納め、薄緑の大きな繭を紡ぎ
ながら自らがその中に眠っていくようにも。心臓はエメラルドの塊。




2003/09/26(Fri)
わだまんの八尾工場も有機認定を受けてはや一年。定期審査。検査
官とトルコの有機農場の話題。JASの認定はヨーロッパよりも厳
しい。3ヶ月間、湖水に沈むトルコの畑の条件は有機に適合する物
語性もあってそれだけですんなり認定の対象になりそうだが、水質
基準とかいろいろチェックの関門あり。いずれにせよ有機の時代に。


2003/09/25(Thr)
ゴマの品種登録第1号『ごまぞう』は2002年。今年はテスト栽
培で市場へは来年からの見込み。最近野菜でオシャレな品種名をよ
く目にする。小麦の『ネバリゴシ』、ジャガイモ『インカのめざめ』
、大豆『青豆くん』など。うまいようだが狙いが見えすぎ。それに
比べて『ごまぞう』のとぼけ具合は抜群。いいかげんなとこがいい。


2003/09/24(Wed)
野菜泥棒、コメ盗人が横行。北朝鮮の飢餓じゃあるまいし、そんな
もん、喉つまってうまくねぇだろ。マスクメロンかかえて逃げるん
だったら、泥棒マスクで銀行から1億円抱えて逃げろ。巨峰持ち去
るんだったら、葡萄よりでっかいルビーの宝石でも狙え。悪人なら
悪人らしくしろ。情けない奴らだ。誰か金ゴマ狙ってる奴いるかな?


2003/09/23(Tue)
塗師、苫居健史くんが箱膳を持ってくる。3年前に4つの修理を依
頼してやっと2個目完了。気の遠くなるような時間が経過。子供の
頃、天満の商家ではだいたい箱膳だった。抽斗の中は茶碗と箸。そ
う、洗わないのだ。最後にお茶をいれて漬け物でくちゅくちゅきれ
いにするだけ。壊れてガタガタが塗り鮮やかなリフォームで財産に。


2003/09/22(Mon)
泡盛『残波』古酒43度を飲む。近頃麦派に転向したばかりなのに
こんな美味い米に出会うと、もう芋も麦もどうでもよくなる。峻烈
かつ悠揚とした広がりが舌の上で展開する。鄙びたおしつけがまし
さが無いのもいい。串カツ『一冨士』はご主人のキャラ、ネタ、サ
ケの三拍子。波佐見、魔王、佐藤、瑞泉と焼酎王道を飲んで、安い。


2003/09/21(Sun)
『座頭市』をみてしまう。監督、北野武はベネチア映画祭銀獅子賞
のトロフィーを熊のぬいぐるみに変えてギャグに。反権威のスタン
ス、裸の王様への自己洞察。彼の言動は常に魅力的。だが映画その
ものは疑問。勝新座頭市の絶対的存在によくぞこれを作った、とい
う点のみ評価。TVバラエティでも漫画でもここまで幼稚な脚本は。


2003/09/20(Sat)
水戸近辺のゴマ畑をウロウロして笠間が近いことに気づく。笠間市
主催の陶芸コンテストであっさり予選落ちした恨みがある。当地の
作家では額賀彰夫が気にいってる。神戸のぶらりのぞいたギャラリ
ーで偶々すりばちをみつけたのが出会い。10人以上の作家ものを
紹介してもらったが、結局額賀の粉引の味に勝るものは発見できず。



2003/09/19(Fri)
国内産のゴマもぼちぼち収穫期。茨城県の状況チェックに。冷夏長
雨で米、野菜と同じく被害甚大。最終的に全滅の農家もあり。来期
より珠玉のゴマの計画栽培に乗り出すべく農家の方々と打ち合わせ。
いい種をいい栽培方法で収穫できる道筋がついた。酌み交わす地酒
がうまい。「逆光に金粉散らす女たち 常陸の郷に金胡麻はたく」。


2003/09/18(Thr)
エジプト帰りからずっと肩こり。せっかく砂漠体質になじんだのに
、都会エッセンスが鬱血作用を及ぼしたようだ。我が社には『ヘル
ストロン』なる健康器具があるのを思い出した。体内を電磁波が流
れて血流をよくするという社長椅子のような器具。これで1時間夢
見心地になったらウソのように肩凝りがとれた。魔法の椅子である。


2003/09/17(Wed)
『賞とるマガジン』10月号。わだまんの企画2本が掲載中。<第
2回健康オタク川柳><あなたのまわりの新お疲れ人種>。公募ガ
イドいろいろあれど、白夜書房が出していたとは意外。エロ、ギャ
ンブルもので超マニヤック、過激な編集のイメージ。つぶれないで
陽の当たる店で販売できる本もだしてたんだ。過激なエロを永遠に。


2003/09/16(Tue)
商業高校の生徒さんからメール。体験学習で模擬デパートをた立ち
上げる。全校各クラスが支店。販売活動で仕入から会計処理までの
営業を体験する授業。そこでクラスごとに地域別に適当なHPを見
つけて実際に販売してくれるらしい。うん、面白い。わだまんを選
んだだけでもすでに彼女はビジネスセンスがある。さあどうなるか。


2003/09/15(Mon)
今回の兵庫県立美術館『クリムト展』は歌仙の仲間、序庵さんがス
ポンサー企業になっている。「ビーバン・ジョワ」という自然派化
粧品メーカー。互いに本業が全く縁のないメンバーが泊まりがけで
ワインをがぶ飲みしながら歌仙を巻いている。その合間にサッと旅
のスケッチを描きあげて愉しむ余裕。趣味も経営も羨ましいかぎり。



2003/09/14(Sun)
『フリーダ・カーロとその時代』展はメキシコの女性シュールリア
リスト7人に焦点をあてた企画。革命と祝祭と壁画芸術運動の男性
原理の裏ではフランスよりもっと魔術的な幻想絵画を創作する女性
達がいた。土着性と秘教要素の濃い世界は日本の潜在意識と響きあ
う変容のスタイル。映画『フリーダ』サウンドトラックも衝動買い。


2003/09/13(Sat)
「巡礼の足裏の汚れ秋麗」阿華藍。四国巡礼ではなくチベットの聖
地を読みとる発言で盛り上がった食句塾。「土生姜切っては大陸移
動説」麻天茶。連想が自然で大スケール。「夜をこめてフォークを
洗う癇性病み」一計。「肉食のフォーク濯ぐや秋の水」翠胡。同じ
シーンでも秋の水の清冽さをひきだして好感。洗うと濯ぐの違いも。


2003/09/12(Fri)
行方不明!いくら待ってもスーツケースがでてこん。こらっアリタ
リヤ。途中でもメシはまずいは、席はきたないは、我慢してきたっ
たけど、最後にこの始末やったら、わしゃようだまってんど。怒っ。
知人の金持婦人が南極旅行でバッグ行方不明。ずっとスッピンで通
した。が本当の悲劇はその顔につきあわされた周囲の人だったとか。



2003/09/11(Thr)
この3週間で中国、エジプト、トルコ行脚。トルコを世界三大料理
という人がいる。おいしさを否定しないが、ヨーグルトが主流で単
調。中華では食いまくりだったが、後半戦ボスポラス海峡で大皿の
どでかいチーズにオリーブ油をダラッとかけてどうぞ、めげたなぁ。
「かわたれの黒海すべりゆく黒い船 戻らぬ運命と決めて見送る」。




2003/09/10(Wed)
名所などおおよそ想像範囲内、無感動であるが『アヤソフィア』だ
けは圧倒仰天悶絶武者震い。6世紀ビザンチン時代のキリスト教会。
壮大な大理石建築と「ディーシス」のモザイク。次の征服者、異教
徒オスマントルコが破壊するのを断念するほどの人類の偉業。「旅
の果てはトルコの風呂の円舞台 レスラーの泡に揉みしだかれる」。


2003/09/09(Tue)
トルコ名物、のびるアイスクリーム「ドンドルマ」。サーレップと
いう植物を混ぜるとビヨーーン。イスタンブールの街角。客の服に
くっつけるパフォーマンスはいいけど、さんざん遊んだものをその
まま食べさせるんだよな。地元には別の人気メーカーあり。「バジ
ル、クミン、カルダモンでもない香り 香辛料売りの親爺の体臭」。


2003/09/08(Mon)
「スミット」ゴマがふってあるドーナツ状のパン。「タヒーナ」ゴ
マペースト。「ハルバ」ゴマペーストを甘ーーく固めたお菓子。低
所得者層の子供のおやつ。今回「フムス」を賞味。ひよこ豆のペー
ストにタヒーナとオリーブオイル。日本のずんだ豆とねりごまの相
性は?「祖父の遺品放出すると骨董屋 髭の愛嬌に騙されたろか」。


2003/09/07(Sun)
アンタルヤ地区は地中海に沿って延々とゴマ畑が続く。集荷業者も
ひしめく。農民たちからいかに安く買い上げ日本人にいかに高く売
るか。当然かけひき上手。久しぶりのわだまんの顔もきちんと覚え
ていてサッと美味しいチャイをだす。うっかり買う気をみせると。
「集荷人ルパン三世のかっこつけチャイの合間に値をつり上げる」。


2003/09/06(Sat)
有機農場で驚かされた。冬三ヶ月は完全に湖に沈んでしまうのであ
る。土は浄化され春になれば白い植物が自生して畑の栄養になると
いう。自然と適応して生きていく農民の叡智の勝利を再びここで知
らされた。ロマンというには厳しすぎる生活だが彼らの瞳は湖より
澄んでいる。「冬蒼く湖水に沈む村に生き全てを許す男となりぬ」。


2003/09/05(Fri)
エーゲ地域の種子研究機関で教授と面談。収穫量の品種改良はされ
ているが、金の色に関しては全く無頓着。明るい黄色を好むのは唯
一日本人だけ。ダークな金の改良種が近隣の農家へ出回った可能性
もある。些細な色具合を評価する日本はやはり繊細な美意識の民族。
「地中海リゾートのビジネスランチ NOの応酬に腹のふくるる」。                                                                                                    



2003/09/04(Thr)
イスタンブールへ移動。トルコの金ゴマはわだまんのメインフィー
ルド。今回の目的は有機栽培。ヨーロッパと日本のJAS規定とは
異なりそうすんなりとはいかない。困難を予想していたがすでに果
実を日本向けに出荷している企業と遭遇。有機金ゴマは進行してい
た。「書き損じの手紙残してレダ夫人 盗み読みする熱帯ホテル」。


2003/09/03(Wed)
カイロの街を歩いていると、額に青いシャドウのある男たちが異常
に多いのに気づく。化粧かな。とんでもない。一日五回のお祈りタ
イム。床に額をこすりつけた痣なのだ。シャドウが濃いほど敬虔な
イスラム教徒である。もうすぐラマダン。宗教が日常を支配してい
る。「ガラベイヤの民族衣装を蔑視するスノッブどもも割礼の過去」。


2003/09/02(Tue)
『バーバガヌーグ』が必ず食卓にでる。ゴマペーストに茄子の野菜
ペースとをミックス、香辛料が加わる。これが実にうまい。パン、
肉、野菜など何にでもあう。日本はペースト後進国。まだ使い方を
知らない。和風だしと調合して万能調味料に。こちらのPR不足。
「年三日の雨の恵みも無き首都にエジプトジャズのピアノがむせぶ」。


2003/09/01(Mon)
エジプトは想い出の地。ここからギリシヤを巡るハネムーンは四半
世紀前。当時カイロは蠅だらけ。レストランの皿が一瞬に真っ黒。
ずっとお腹が鈍痛。ここで手術したら蠅まで縫い込まれそうで我慢。
簡単な虫垂炎が重度の腹膜炎に。今では懐かしい笑い話。蠅はもう
いない。「ピラミッド四千年崩落の傷美しく かさぶたの我らは」。




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[ 管理者:大象 著作:じゃわ ]