写真は“オリジナルのゴマ商品を扱う和田萬”

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ゴマ 食材の“主役”に

古くから日本人の食生活になじみの深いゴマ。 しかし、「ごますり」や「ごまかし」などゴマにまつわる言葉にいい表現は見当たらない。 料理のゴマあえを「ごまよごし」と呼ぶこともある。 どちらかといえばわき役に甘んじてきたゴマだが、最近は少し事情が変わってきた。 食品メーカー各社がスープやクッキー、ドレッシングなどにして相次いで商品化。 ゴマは“主役”の座を射止めつつある。

◆女性の人気3位

カップスープでトップシェアをゆく味の素は、秋の新商品として「ごまのポタージュ」を投入した。 今年三月、大学生以上の女性八百七十二人を対象に「スープの素材で何が好きか」を問うアンケートの結果、 一位のトウモロコシ、二位のキノコに続き、ゴマが三位に躍り出たことから、商品化に踏み切った。

ゴマには、細胞の老化を遅らせて成人病の予防につながるとされる成分のゴマリグナンが含まれ、 「健康と美容にもいいのでは」という認識が広がってきたのが人気の背景にある。 同社は具入り調味料の「ごはんがススムくん」シリーズに「ごまみそ焼きビーフン」を追加。 テレビコマーシャルを大展開中だ。

◆幅広い料理に

ハウス食品は、平成九年三月から健康と美容に気を配る女性をターゲットに展開している 「ピュアイン」シリーズに「黒ごまのソフトクッキー」を加えた。 一箱でごまの約千粒に相当するセサミンが入っているのがPRポイント。

キューピーは今年二月に出した「深煎りごまドレッシング」が好調。 すりおろしたごまをそのままドレッシングに混ぜ込んだ商品で、通常のドレッシングより価格が 五十円ほど高い高級品として展開している。 それでも、「四十五種類のドレッシングのうち、単体売上高はトップ」(広報室)という。 洋風、和風どちらの料理にもあい、肉料理に使えるなど幅広く応用できるのがうけたようだ。

インスタントラーメンにゴマをすりこんだ商品も出ている。 「インスタントラーメンに健康感をプラスした」というもので、日清食品の「チキンラーメン」に 「ゴマ入り」が登場した。麺の中に約六百粒の黒ゴマを練り込んでいる。

◆しにせも脚光

こうしたブームにしにせの乾物店も脚光を浴びている。 「五年ほど前に比べると出荷量も売り上げも五割程度伸びている」と語るのは、 明治十六年創業の和田萬(本社・大阪市)の和田大象専務。 ごまキャンデークッキー、かりんとう、チップス、おかきなど約四十種類を扱っているが、 インターネットの通信販売を通じて全国から注文がくるようになった。

和田専務は「若い女性向けのデザート類を開発していきたい。ブームを維持する」と意気込む。

日本貿易月表によると、ゴマの輸入量は平成元年から五年ごろまでは十一、二万トン台で推移していたが、 平成六年以降は十三万−十五万トン台まで伸び、国民の消費量全体がふくらんでいることを裏付けている。 グルメ志向の中で、さまざまな食材が消費者の口に入るようになった昨今。 素朴なゴマの持ち味にひかれる人が増えているようだ。(比嘉一隆)


産経新聞(夕刊)2000年10月18日号で紹介していただきました。


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